移動総量の本質

この10年、移動総量の増大が経済に活力を持たせる。と考えてきた。
コロナ禍の外出自粛で経済が止まり、それが実感へと変わった。
人が動き、道すがら、そして目的地で消費活動をする。
この活動の総量が経済と連動しているのは間違いなさそうだ。

移動の中で満たされるものは好奇心や安心感だと思う。
未知の場所、未知の味、未知の人など、未知との出会いが気持ちを高ぶらせる。
行きつけのバー、心静まる風景、心許せる仲間など、変化しないことが落ち着きを生む。
人は、好奇心と安心感を糧に、挑戦を続けている。それが経済を大きくする。

コロナ禍で、移動の制約が生まれた。
県や国という境界が大きくクローズアップされた。境界を超えてはならないと。
ソーシャルディスタンスという概念も生まれた。
握手やハグとは異なる感情表現が必要になった。お辞儀を超えるものはなんだろう。

さて、移動総量が増大する未来をどう描こうか。
好奇心は意外と簡単かもしれない。いままで気づかなかった未知は身の回りにある。
身の回りの未知をどんどん発掘して体感すればいい。時間をずらして移動しながら。
安心感は手強い。変化しないことを、新しく見つけなければならないからだ。

温もり、空気感、自然。安心感の拠り所だ。
オープンエア、自然に囲まれた場所で、仲間と火を囲む。バーベキューをする。
こんなシーンが頭に浮かんできた。
少し遠くに車で移動をして、仲間と共に、安心を実感する。試してみたいと思う。