もう5年以上経つだろうか。少なくとも毎月1回は木と存分に触れ合う機会がある。
最初はおっかなびっくり。一度傷つけたものは戻らない。そんな感覚だったと思う。
日々、間違えだらけの中で生きているくせに、目の前に失敗が量産されるのは嫌。
そんな風に思って、いつも躊躇していた。少しずつ少しずつ前に進んでいた。
これまでの木との触れ合いはとても多岐にわたる。まず製材だ。これはとても楽しい。
厚みを揃えて一定の大きさに仕立てる作業だ。少し大きめの乾いた木材の表面を削る。
製材機のメモリを使って押すだけなので失敗もない。一度に削り過ぎないことだけ注意がいる。
削る音も、削られた木材が噴出する姿もとても良い。職人になったかのような錯覚も生まれる。
家づくりをしているので、製材した板は床か壁、屋根などに使う。インパクトを使って打ち付ける。
これもなかなか上手くいかない。ネジから先端がはずれ板にインパクトが刺さる。傷付く。
ネジがぐにっと曲がって穴が広がる、打ち直し。コツを掴むまでは何をやっても色々起きる。
ノコギリも同じ。罫書き線を書いても歯を当てると、1mmは平気でズレる。真っ直ぐきれない。
ノミも罫書き線どおりにはいかない。せっかくの継ぎ手もゆるゆるガバガバ。ブルーになる。
でも、そうした失敗も家の形に組み立てていく中で、意外となんとかなってしまう。
逆に、出来上がった時に、思い出になる。次第にそんなことにも気づくようになってきた。
その他にも、杉皮剥ぎ、焼き杉、木の食器作り、サウナ作り、露天風呂作りもやっている。
木と触れ合う中では、いろいろな機材を使う。ノコギリ、ノミ、インパクトの他にも色々ある。
電鋸、チェンソー、水準器、鉋、ハンマー、木工旋盤、製材機、薪割り機、木材運搬装置などだ。
装置を動かすのはとても楽しい。もちろん、思う通りに動いてはくれない。でもそれも一興だ。
こんな機会をもたせてくれたことに感謝すると共に、上手い下手ではなく、続けて触れ合おうと思う。