辞書を引いて一番最初に出てくる意味は、「過去に築かれた遺産や遺物」だ。
次に出てくるのは、レガシーシステムなどで使われる「時代遅れ」という意味だ。
どちらかといえば、ニュートラルな表現からネガティブな表現で使われてきた。
それが最近では、「レガシーを作る」といったポジティブな使い方がされるようになった。
これは、後世に業績として評価されることを期待した、計画中の事業の意味だ。
つまり、著しい進化を遂げる可能性への挑戦。こんな捉え方になると思う。
レガシーを作るには、一貫したコンセプトがいる。その土地ならでは、縁やゆかりがいる。
大事に培ってきたモノやコトを、磨き上げて、未来の部品にしていくこと重要だ。
時空の移り変わりや交わりを使いたい。過去から現在の進化、過去の中にあった未来。
未来の中に残る過去。これらを抽出して、抽象度を上げながら未来の部品に仕立て上げていく。
次々に現れると、まるでタイムスリップしたような感覚を生み出すこともできると思う。
過去へ未来へ時空を飛び越えたさまざまな体験を組み合わせて脳を刺激していく。
今流行りのメタバースも使い方によっては効果的だ。時空やその密度を操作できる。
建物や装置と自分の大きさを変えられる。巨人にもミクロの決死隊にもなれる。視点も自在だ。
透視する能力を持たせれば、物事の内部構造やメカニズムが手に取るように分かる。
タイムスライダー機能を持たせれば、早送りやタイムスリップも可能となる。
リアルの世界にあるタイムスリップとメタバース上のタイムスリップを交わらせても面白い。
最近は、産業の未来の姿、産業アーキテクチャを考えている。色々な産業が混ざった世界だ。
ものづくり産業は、アートにも、音楽にも、学びの場にも、精神を整える場にもなっていく。
周囲を巻き込み、日々の営みを文化として発信する。そんなレガシーを作ってみたくなった。