田んぼに浮かぶホテル。そんなタイトルの記事を見つけた。最近のテーマは文化だ。
柱がなく、ロビーにいると田んぼの上に木の香りがする広々とした空間が味わえるという。
都会に住む人にとっては明らかに非日常の風景だ。なんとも心が癒されると思う。
では、昔の稲作農家にとってはどうだろうか。意外と朝起きると目に入っていた風景かもしれない。
都心を離れて、古民家が立ち並ぶ商店街を見かけることも多くなった。なんとも趣がある。
ガチャガチャした都心の感じはなく、色味が揃い、落ち着きのある雰囲気に包まれる感じだ。
少し生活感はないが、それでも「江戸の町はこうだったのかなぁ」などと思わず連想する。
古民家ホテルに泊まって、朝こんな雰囲気の場所で目覚めたらタイムスリップ体験ができてしまう。
文化とは少し離れるが、自然の中に没入するという体験ができる場所もある。
例えば、火口。普通なら近づく場所ではないが、火口周辺のホテルは意外とたくさんある。
海外にはボコボコと沸騰しているシーンを窓から見られるホテルもあるという。なんともすごい。
その他、海と海の生き物を切り取る海中のホテル、神秘的な空間で魅了される洞窟ホテル等もある。
都心にも、無数の光る人工物を眺める超高層ビルのホテルもある。お風呂の大きな窓から眺められる。
いつもは歩いている場所が米粒より小さく見える。車や電車がジオラマのように動いていく。
雨が上がった朝は、視界が圧倒的に開ける。空気がすんでいるからだ。地形すら意識できるレベルだ。
これらすべては、日常とは異なる記憶に残る体験となる。人はこうした刺激を求めているのだと思う。
こうしたホテルの窓はこうした情景を切り取る。目にシーンを焼き付ける。それだけでは終わらない。
部屋の中では、情景とつながる空間が仕立ててあり、体験がつながる。余韻が生まれる。
周辺とつながっていると、体験はどこまでも続く。離れるにつれて少しずつ日常に戻っていく。
空間のデザイン。触れてみたくなってきた。周りに先生もいそうだ。学びを少しずつ始めていこう。