昨日から明日香村に来ている。そして新しい単語で出会った。狂心だ。
遠い飛鳥の時代に2回天皇に即位した女性がいたのだが、その方の呼び名だ。
きょうしんではなく、たぶれごころと読む。簡単に言えば狂っているだ。
当時の住民にとっては、彼女のやることなすこと全てが異様に思えたのだ。
でも、今となっては素晴らしい天皇と言われてる。異様には理由があったのだ。
残念ながら、当時は情報、つまり理由やロジックを伝える手段もあまりなかったと思う。
故に、突然司令が降りて来て、それをやるしかない。意味が分からないから大変だ。
ああ、またお戯れが始まった。無駄遣いばかりでこの国はどうなってしまうのだろうか。
皆がそう思っていたかどうかはもちろん定かではないが、なかなかの状況だ。
では本当のところはどうだったのだろうか。どうやら理由があったようだ。
当時、天皇には大陸から様々な情報が入ってきた。強国がたくさんあると。
そんな中で密かに脅威を感じていた。国の力を見せ付けねばと考えていたようだ。
大陸の話など、住民は知る由もない。そもそも大陸があることも分からない人も多い。
見たこともないない強国に対抗しているなど決して信じることはできない。
どんな説明をしても、なかなか理解してもらえなかったのもうなづける。
見えている景色が全く違ったのだ。違うのだから当たり前に生み出す答えも異なる。
人はどんな情報を持っているか、その中からどんな情報を使うかで結論が変わる。
持てる情報はネットワークによるし、どれを使うかは感情に左右されることもある。
狂心。結論があまりに違うとそう思われる。今の世の中でもたくさん起きている気がする。
イノベーションと狂心。メカニズムに照らして上手く進めることはできないだろうか。