このお客さんにこの商品を使って価値を届けたい。それにはこの追加機能の開発が必要だ。
こんな場面に出くわすことがあると思う。目の前に来たチャンス、なんとかものにしたい。
その際、既にある機能を拡張してやる方法を考える。最小のコストでできるからだ。
ただ、つぎはぎだらけになるのは良くないので、その部分はしっかりと検討する。
いついつまでに作れば、お客さんにこのタイミングで新たな価値を試してもらえる。
お客さんにはそれをしっかりと伝えて、期待を抱いてもらうと共に、トライアルの準備をしてもらう。
具体的なトライアルをしっかりと計画しておくことで、追加する機能のブラッシュアップも可能だ。
出来上がったら予定通りのテストを実施して、新たな価値が実装できると証明すればいいのだ。
ここまでが近い目的だ。でも、ここで終わってしまってはいけない。本実装への道も描くべきだ。
トライアルで試すべきは基本原理などの部分。耐久性、細部の使いやすさなどは詰める必要がある。
つまり、最初の段階でトライアルのみならず、その後の本実装までにクリアすべき事の計画も立てる。
なぜなら、最終的に収益として刈り取れるのはトライアルではなく、本実装だからだ。
ものづくりに没頭してしまうと、ついついトライアル完了に夢中になってしまう。それではダメだ。
本実装まで考える事が遠い目的の全てかというとそうではない。開発の費用対効果を作る必要がある。
つまりは同じ追加機能を使う別の用途、お客さんを想定しなければならない。売上の規模を上げる。
各用途でのシーンをしっかりと描いて、それぞれに求められる仕様を見極め最大公約数を取る。
遠い目的は少なくともこの辺りまでと捉えることが大事だ。一歩引いて俯瞰することが必要だ。
お客さんAのニーズを満たすのに必要な追加機能がある。さあそれをやろうではいけない。
いくらでどんな仕様で作ったら、世の中でどのくらい需要が生み出せるのか。ここを見る癖を作る。
近い目的と俯瞰してみる遠い目的。接眼から望遠レンズまで自在に操れる視野を持ちたいと思う。