IoT、DX、VR/AR、メタバース、インターバース。どの言葉もデジタルが絡む。
そしてそうした全ての取り組みにおいて、必ずと言っていいほどデバイスが絡む。
なぜなら、人の日常はアナログであり、アナログなものをデジタルに変換する必要があるからだ。
天気や気温、起床時間や就寝時間、移動ルートや活動内容、なんでも記録するならデジタルだ。
とはいえ、人の動きや感情、空間の構成など、すべてをデジタル化するのは骨が折れる。
費用もバカにならず、単純になんでもデジタル化すればいいというものでもないだろう、
故に、まずは視覚と聴覚ということで、VR/ARのヘッドセットが生まれたのだ。
目と耳をハックすることで、メタバースへと誘ってくれる。現実世界に重ねることも可能だ。
視覚と聴覚は、光と音波が空間の中に存在するので、なんらかのデバイスで捉えやすい。
嗅覚も匂い粒子の空気中での拡散と捉えるなら、なんとかデバイスで再現できるだろう。
一方で、味覚と触覚はなかなか難しい。脳の感じ方の個人差がとても大きいからだ。
味覚は口の中の触覚とも混ざるので、どう美味いのかを表現するのはなかなか難しい。
触覚はハプティクス技術なるものがあり、音波を使ったもの、メカを使ったものまで色々ある。
でも、人間の皮膚の繊細さを再現するのは難しいようだ。反動など体で感じるものはまだ楽だ。
では、どんなものをデジタル化するのがいいのだろうか。新規事業の用途開発にもにている。
人の日常のある特定の部分、空間の構成の特徴点。この辺りを切り出して局所的にデジタル化をする。
例えば、歩く行為。足の裏にかかる圧力の時間変化をデジタル化する。すると色々わかる。
歩き方の正しさ、怪我の治り具合、歩数、路面の傾斜。位置情報や時間情報とも重ねられる。
デジタル化しやすいもの。それを使った価値の創出、そして収益化。これを広げていく。
デジタル化デバイスの進化と共に、切り取った人の日常と空間の構成が全体へと近づくのだろうか。