移動と賑わい。

街に賑わいを生もうとする時、まず一番最初に考えるべきは目的地だ。
何に惹きつけて人に来訪してもらうか。魅力として打ち出すのは何かを明らかにする。
今回の賑わいのために新しく作るもの、既にあるものの演出を変えるもの。
コンセプトを揃えて、それなりの数を揃えていく。すると少し存在感が生まれる。

来訪者にはどうせなら、長い時間滞在して欲しい。故に目的地に加えて休む場所が必要だ。
例えば、カフェやレストラン。景色を見ながらゆっくりと土地の恵みを味わえる場所だ。
刺激に満ちた目的地の後には、疲れを癒す場所もあるといい。宿やウェルネス施設が欲しくなる。
移動自体もできれば楽しめるのがいい。最先端のモビリティに乗ること自体も目的となる。

賑わいを生むにはそうした目的地への移動手段が大事だ。移動手段がないと絵に書いた餅になる。
とはいえ、来訪者だけのために移動手段を整えるとあまり良くないことも起きる。
モビリティの利用時間に偏りが生まれたり、モビリティ自体が邪魔な存在になったりする。
故に、1年を通して使う住民にとっての便利な道具としても新たな移動手段を構築すべきだ。

来訪者のニーズと住民のニーズを両立するモビリティのあり方を徹底的に考えていく。
新しい移動手段ができたことで、住民の日常の移動が便利になる。来訪者との共存の始まりだ。
新たな移動手段の運営、維持管理はできれば住民の新しい仕事にしたい。収入は大事だ。
来訪者がくることで、街が便利になり、お店が増え、商店街が復活していく。ここも収入増だ。

目的地を沢山生み出し、一つのコンセプトでまとめ上げ、魅力の密度、総量を高める。
来訪者のためにそうした目的地をつなぎ、住民の移動課題も解消できる移動手段を作る。
エリアの魅力を上げつつ、住民にとっての大事なものにする。この両立が重要そうだ。
あ、移動手段だけではない。目的地も同じだ。みんなに愛される場所にすることが大事だと思う。