朝思った事。

京都に一日中いることができる日は、なるべくオフィスで仕事をしている。
そんな時、出勤は歩きの場合が多い。バイクもあるのだが、朝の空気を吸いたい。
京都の朝はとても爽やかだ。鳥と信号機の音が聞こえる。そこにモビリティだ。
人々の活動が少しずつ盛んになっていくのがわかる。もう少しすると観光客も来る。

今日のオフィスへの道もいつも通り爽やかで清々しかった。でも白川で異変が起きた。
白川を渡る小さな橋にゴミが散乱していたのだ。すぐに分かった。カラスの悪戯だ。
京都市は透明のごみ収集袋なので中身が丸見えだ。ちゃんと分別されているか直ぐ分かる。
もちろん、目の良いカラスにも丸見えだ。自分の興味のままに突きに来るのだろう。

その状況を見た時の最初の感覚は「なんてことだ」だ。綺麗な景観が台無しだ。
次の瞬間、「片付けなきゃ」と思った。でもすぐ後に、「流石に汚れてしまう」と思った。
ゴミを避けながら、橋を渡った。渡る間中、何度も「やはり集めようか」と思った。
結果、そのまま渡りきり、振り向かずにそのまま歩いて行った。ふと頭によぎった。

「こんなこともあろうかと着替えを準備していた」、ある漫画の父のフレーズだ。
この父は凄腕のスパイ。どんな不足の事態にも対処できるように準備を怠らない。
ドブに落ちた子供を、大事な面接に向かう途中に助けた後に発した言葉だ。
もちろん、現実の世界ではどんなことにも用意周到などは無理だが、できる準備はある。

ゴミ袋やビニール手袋を持っておく。このくらいは何の苦もなく準備しておける。
あとは時間の余裕だ。30分くらいの余裕さえ持っていれば、最初の感覚に真っ直ぐになれる。
一つの行動は周りにも影響を与える。みんなの中にゴミを拾う気持ちが育まれるかもしれない。
少しずつゆとりを持って、思ったらすぐにその行動に移れる自分を生み出してみたいと思った。