理解促進。

必死のコミュニケーション。数十年前にお客さんから教えてもらった言葉だ。
そう簡単に伝わるものではない。ただ伝えるではなく、必死に関係性を作ることが大事だ。
その後の人生で常に難しさを実感してきたように思う。実は伝わっていない事は多々あったと思う。
それでも必死にコミュニケーションを続ける中で、阿吽の呼吸的も少しずつ生み出せたと思う。

言った。伝えた。分かった。情報伝達にはいろいろな言葉が使われる。
言ったは、厳密にいうと自分から言葉を発しただけだ。伝えたは、その言葉を届けたに過ぎない。
分かったになって初めて相手の反応が得られる。ちゃんと伝わったかどうかが判断できる。
相手は情報を把握することから始まり、内容に納得する。そして自分の言葉で再現する。

この3つのステップをコンプリートすると初めて、分かったというステージに立てる。
では、会社のパーパスやブランディングなど関係者に伝える場合はどうだろうか。
もし沢山の人に対してこのプロセスをやっていたら、途方もない時間が掛かる。
故に、相手の立場で分かり易い読み物や映像に仕立てて、繰り替えし活用していく。

その際、それぞれの人でこれまでの経験が異なる。それぞれに合ったコンテンツが必要だ。
つまりは伝え方を多様に準備しなくてはいけない。受け手の捉え方の読みが必要になる。
こうした経験を積んできた人にはこの形で、この人にはこの形。こんな準備が必要だ。
なかなかの作業になりそうだが、要は伝えたい事を多面的に表現することを考えればいい。

多面性が増えれば増えるほど、それに響く人の数が増えていくのだと思う。
受け手の捉え方の読みが完璧である必要はない。多様な表現を持つ事でも前に進める。
いずれにせよ、普段から多様な人と会っておくことが何より重要だ。自分の中に多様性を作る。
理解を促進して、物事を共有するためには、日々の対話が重要だ。改めて感じる毎日だ。