効率と創造の共存

利益を増やしたい。そう思った時、手をつけやすいのは間違いなく効率化だ。
現在の事業を見つめ直し、過剰なもの、無駄なものがないかを徹底的に考える。
供給者として「良かれ」と思っていたものも、消費者には届いていないものもある。
コスト費目毎に無駄をなくすだけでなく、そもそも要らないものは排除していく。

そうすれば、売上をほぼ減らすことなく、コストが下がり確実に収益が増加する。
排除したものを好んでいた人も僅かにいて売上が減る。でも往々にしてコスト削減の方が大きい。
結果として、売上は横ばいもしくは微減するも、利益は増大する。経営者としては正しい選択だ。
ただ、製品やサービスは時間と共にその価値が下がっていく。少しずつ単価が下がるのだ。

そのため、経営者は新たな製品やサービスを市場に投入するための努力をする。
新製品や新サービスが少しずつ既存製品やサービスの縮小を補い全体としての収益を維持するのだ。
こうして、新旧のサービスの世代交代を進めながら、企業としての成長を実現していく。
その際、如何にこの世代交代をスピーディに実現するかが、成長の速度を決める。

サービスの場合の世代交代はなかなか難しい。例えば、人材派遣の場合はどうだろうか。
付加価値を高めるには、2つの方向性がある。派遣する人材の稼ぎを増やすこと。
それから、派遣先での成果を高めることだ。これらをやるための方法論を増やしていけばいい。
沢山の方法論があれば、案件毎に選択的に使い、沢山の案件で付加価値を高めることができる。

でも、残念ながら多くの企業では、やればできるコスト削減やシェア拡大で止まってしまうケースが多い。
確かに、それだけ世の中で新たな付加価値を生み出しにくいのだろう。でもそれでいいのだろうか。
付加価値の向上を止めれば、価格競争しか待っていない。それは負けたら全てを失う世界だ。
価格競争を仕掛けてくる大手を横目に、付加価値で勝負。こんな戦い方をしていきたいと思う。