コミュニティに触れる、入る。

飛行機が出来て、たくさんの人が海外に出かけるようになって、もうだいぶ経つ。
どの国にいっても、街があり、来訪者を迎えてくれる。異文化に触れることができる。
そこには、衣食住の何もかもが揃っていて、消費を通じて何不自由のない数日を過ごせる。
消費者として、その街の暮らしに少しばかり触れながら、様々な体験ができる。

こうした旅行の目的は主にリフレッシュだ。非日常を満喫しながら心を整えていく。
だから、消費という行為の中で、十分にその目的を果たすことができるのが普通だ。
国を跨がない日本国内の旅行でも同じだ。消費行動の中で、その場所を満喫する。
でも、何かが足りないような気がする。どこか受身な感覚になるのはなぜだろう。

「旅行者はお客さま」という意識がある。コミュニティの中か、外かというと「外」の人だと思う。
旅行者は、頻度は少ないものの、一度にたくさんのお金を落としてくれる大事な存在だ。
でも、一緒にコミュニティを作っているかと言われると、ノーだ。関わりはワンタイムに近い。
だからどうしてもお客さまになる。そして、関係性は希薄だ。これを変えたい。

簡単なアプローチは、行きつけの店を作ることだ。カフェでも宿でもいい。複数回行く。
そこで店主と話をして、街のことを教えてもらう。コミュニティに触れてみることだ。
次の段階は、コミュニティに爪痕を残すことだ。何かしら自らが作ったものを残していく。
店の装飾の一部でもいい。次に来た時に見たくなるものを仕込んでおく。また来たくなる。

更なる一歩は、その街の人が持つ凄技を伝授してもらうことだ。人との深いつながりだ。
料理、食器作り、家具作り、建築など、いくらでもある。それを学んでいく。
当たり前だが、1回では学べない。何度もその人のところに通って、一歩一歩進む。
ここまでいくと、コミュニティの中の人だ。消費を超え、街の賑わいを生み出している。