束ねて伝える

最近、文化観光の仕事をやっている中で常に話題となるのが、情報発信の進め方だ。
潜在的なお客様に、自分達の商品やサービスの情報を如何に届けるかを議論する。
ただ、商品やサービスの内容については、既に改善が進み、良い状態になっていることが多い。
デザインそのもの、使い方、提供する場所なども含めて、しっかりと考えてある。

手にとって思わず買ってしまいそうになることも多々ある。実際、色々買ってしまった。
インスタ映えの写真を意識した購入者や利用者が楽しめる仕掛けも準備していたりする。
一度、SNSで話題になると、瞬く間に人気になる。いきなり大波がくるイメージだ。
ただ、持続性があるかというと、なかなか難しい側面がある。まだまだ工夫がいる。

通販ならともかく、現地での販売やサービス提供となると、出向いてもらわないといけない。
できたら何度もリピートで訪れてくれるのが望ましい。そんな状況はどう作ればいいだろうか。
訪問にはコストが掛かる。コストを掛けてまで来たい理由の一つは唯一無二だろう。
その時、そのタイミングにしか購入のチャンスがない魅力的なものであれば、現場に赴く。

ただ、持続性を考えた場合、そこまで魅力的なものを持続的に提供するのは難しい。
となると、合わせ技ということになる。魅力ある商品やサービスが多数あることが大事だ。
そうすれば、選ぶ楽しみも加わる。それから、様々なジャンルがあることも有効だ。
典型的なのは食や宿泊だ。自然の景色、手仕事の体験なども良い。1日楽しめる。

でも、バラバラに存在していても、楽しめない。そもそもその存在を伝えることができない。
だからストーリーがいる。地域を回ることの魅力に仕立てる必要がある。周りとの協力がいる。
要は、たくさんのジャンルの商品やサービスを束ねて、塊感のある魅力として打ち出すのだ。
すると情報がお客さんに届く可能性がグッとあがる。なにより、来訪した際の楽しさが倍増する。