お金を回す速度を上げることに着目したスタートアップがある。海外にある会社だ。
「金は天下の回りもの」を現代に甦らせようとしている。なかなか面白い。
持つことよりも、使うことが大事で、使えばお金が増えるという不思議な仕組みだ。
使わなければ、使っていないのにお金が減っていく。ほんと不思議な仕組みだ。
縁もあって、この会社に投資を検討している。でもそこに大きな壁が立ちはだかった。
「外国送金はとても手間がかかる」という壁だ。これはなかなか手強い。
いわゆるインターネットバンキングは少し金額が上がると使えない。窓口のみになる。
おそらく、振り込め詐欺的なものの被害額を大きくしないという抑止力などだと思う。
そこで窓口に行く。街の銀行からの送金は難易度が高そうだと思い、本店に出向いた。
すぐに間違いだと気づく。取引店への訪問が正解だ。本店も1つのお店でしかない。
取引店で必要書類を提出して、本部での審査を受ける。審査部門への直接訪問はできない。
ここでまた壁がある。必要書類が完全には特定されないことだ。見てからの判断で変わる。
まずは送付する側の状況。マイナンバーからはじまり、送付資金をどう用立てしたかが必要だ。
別の銀行からお金を直前に移すなどしたらすぐにチェックが入る。当たり前といえば当たり前だ。
次は送付目的だ。投資の契約書などがいる。そして、投資先会社の業務、実質的支配者と続く。
世の中に会社は星の数ほどあるので、良い会社、悪い会社の見分け方はどうやるのだろうか。
ここまでの一連のプロセスは、デジタル化とはかけ離れたものだ。全ては紙に記入、紙で集める。
もちろん、本人が窓口に来て、自筆サインなどをすること自体がセキュリティだと思う。
とはいえ、2つの送金を終えるのに1日以上の時間が掛かってしまう。何かがおかしい。
あっそうか。イノベーションのチャンスだ。非効率を憂うのではなく、価値創造に頭を使わねば。