この時間から始まり、この時間で終わる。これが担保されるのが時間確定性だ。
一つのイベントで、かつ十分なリソースがあれば、これはそんなに難しいことではない。
多数のイベントが同時に行われる場合、一気に難しくなる。タスク同士がぶつかる。
ある程度リソースを用意しても、例えば、通路が細ければモノや情報の運搬に遅延が出る。
人間の身体は良く出来ている。何か爆発が起きたら、身体は瞬時に色々なイベントを起こす。
爆発音を聞いた瞬間に、身を屈める。同時に周囲を見回して、何かが落ちていないかを確認する。
自分の怪我はないか、周りにガラスの破片などがないか、慎重に確認をしていく。
その際も、しっかりと嗅覚や触覚が働いている。ガスが漏れていないか、何かが倒れてこないか。
もし、耳と目や触覚がバラバラの時間にズレて動いていたらどんなことになるだろうか。
耳では大きな音を捉えたが、目の前では何も変化が起きていない。そんなことが起きてしまう。
爆発して、破片が飛んできているのも、音では分かっていても、目では確認できない。
仮に身体に破片が到達していて、触覚が痛いと言っているにも関わらず、目は異常を感知しない。
ようやく3秒後に、状況がわかる。あ、自分はやっぱり怪我をしているのだ。
逆に目だけが先に動いていたとしよう。すると自分の身体に破片が刺さっているのは見える。
でも、痛みもなく、爆発の音もないので。何が自分の身に起きたのかは全くわからない。
次の瞬間、身体が痛みに襲われ、さらに1秒後には爆発音がやってきて状況を把握できる。
こんな状況はとてつもなくややこしい。自分の身に起こったことを把握することができないのだ。
でも人間など生き物以外は、ほとんどの機械や装置でこんな状況になっていると思う。
注目を浴びてきたロボットも同じだ。色々な感覚やタスク間で時間担保ができていない場合が多い。
やっぱり生き物はすごい。でも技術の進化は着々と進む。時間確定性を持ったロボットが楽しみだ。