何かを成し遂げようとする際、大きく2つのやり方がある。機械的と有機的だ。
大量生産の時代、ピラミッド型の機械的組織は高効率を実現し、大きな成功を収めた。
ワークブレイクダウンストラクチャという担当別の業務が細かく規定され進められる。
インプットとアウトプットが明確に定義され、業務の進捗も細かくモニタリングされる。
機械的組織に属する人は、それぞれのインプットからアウトプットを生む事に注力する。
故に、自分以外の人が何をやっているかにはあまり興味がない。自分の担当に集中する。
ものづくりの分野では、後工程のやり易さを極める活動もあるが、それはアウトプットの再定義だ。
機械的組織では、予定通りのものが、割り当てられた役割分担で粛々と作られていくのだ。
有機的組織はどうだろうか。ここには機械的組織のようなピラミッド型の指示命令系統はない。
生み出したいものにおいて本質的で大事なもの、おおよそのゴールイメージが組織内で共有される。
そのイメージに向けて、メンバーそれぞれが自分の得意技を使って自律的に進んでいく感じだ。
勿論、それぞれの生み出すものを組み合わせて作るので、メンバーの協働も不可欠となる。
他のメンバーの進めていることを感じ取り、自分の進めていることと重ねてみる。
その中で、何か齟齬や矛盾が起きそうなことを素早く見つけて、解消に向けた対話を始める。
常に、全体の出来上がりにアンテナを張りながら、軌道修正すべきことを前倒しで見つけていく。
自分が信じることを大事にしつつ、他のメンバーのプロとしての仕事を尊重しながら進んでいく。
有機的な組織で物事を進めると、多くの場合、想定していなかった凄いものに出会える。
自分のできないところで、プロの技を間近に見る事ができる。この刺激がなにより楽しい。
自分の中で到達可能と思える「生み出せるもの」の大きさや遠さが広がっていくのが分かる。
あ、これがプロの組み合わせで有機的に創造する楽しさだ。未知のプロとの仕事を増やしていきたい。