ブロマイド。数十年前には好きなアイドルのものを沢山集めたものだ。枚数が自慢だった。
ファンクラブに入っている人だけが応募することができるお宝のショットなどもあった。
デジタルが今のように広がっていない時代、ブロマイド写真は芸能人との距離を縮める道具だった。
お気に入りの1枚を定期入れに入れてあったり、アルバムをつくったり、大盛り上がりの日常だ。
今やSNSなどで芸能人の日常を垣間見ることができるようになった。フォロワーの数も鰻登りだ。
継続的に投稿されるとどんどん引き込まれていく。ファッションなどはついつい真似たくなる。
同じものを食べたり、飲んだり、撮影した場所を特定して、そこに行ってみたりする。
コンサートやテレビなど特別に作られたタイミングのみならず、常に一緒にいる感覚が生まれてくる。
企業のブランドや地域のブランドでもこんなことができないだろうか。もちろんデジタルを使ってだ。
例えば、新しく作り上げる未知のもの、夢のあるもの。それは製品でも施設でも良いと思う。
まずは、企業や地域が大切にしたいことをしっかりと伝えて、それに共感する人を集めていく。
集まってきた人に、その製品や施設を作るプロセスの中での役割や一部を所有する権利を渡していく。
日々、製品や施設の設計や施工が進んでいく様子を発信しながら、それらの工程自体に絡んでもらう。
意匠の部分や使い方の部分なら、アイディアを募ることは容易だ。どんどん盛り込んでいけばいい。
設計図や使い方を示した企画書が様々な人のアイディアによってどんどん変化していく。記録に残す。
その記録自体を証拠として持ってもらう。こんな変化を生んだのがこの人だという記録だ。
生み出していく製品や施設が世界初であればなお良い。手探りで進んだ冒険の軌跡が残せる。
参加した人には、そうした世界初の取り組みに参画できたという大きな嬉しさが生まれる。
個々のアイディアを知財として登録して、類似の施設などで活用していくのもありだ。
あ、こうしたプロセスに有償で参加してもらう。そんなニーズはないだろうか。あるような気がする。