価値を生む。

日々の仕事の中でなかなか難しいと思うのが価値を生むことだ。価値を出すこととはかなり違う。
価値を出すには、既に定義されている役割を担い、それをやり切ればいい。経験がものを言う。
価値を生むには、少し違った経験がいる。具体の答えがない中、ゴールに向かってやり切る経験だ。
そのために必要なのは当たり前だが、ゴールで成し遂げたいことだ。ここをぶらさないのが重要だ。

多くの場合、ゴールまでの道のりは遠い。一面課題だらけだ。課題すら特定できないことも多い。
1つの課題が見つかると、ゴールまでの道筋が描けなくとも、その課題についつい取り掛かってしまう。
特定された課題を1つずつ解くのは、時間は掛かるがそんなに難しいことではない。達成感も生まれる。
でも、その解決策がゴールを見据えた時に有効か、他の課題の解決策と両立しうるものかが重要だ。

特に生み出したい価値を事業として成立させたい場合は、コストの問題が大きく立ちはだかる。
沢山の課題があり、それぞれ別の解決策が必要な場合は、コストは鰻登りだ。到底見合わない。
せっかく解決策を作っても、その課題がない土俵をつくる方が事業化に近づくといったことも起こる。
そうなると、課題に立ち向かった時間は経験にはなるものの、事業にとっての貢献はゼロになる。

沢山の課題を解決しきり、とっておきの価値を生み、事業化する。これが究極の理想かもしれない。
でも、課題解決には時間とコストが必ず掛かる。商品やサービスに価値を込めるほどコストは上がる。
全部入りを求めるユーザーも間違いなくいる。一方でいくつかの価値で十分というユーザーもいる。
とっておきにするほど、届けるまでの時間とコストがかかり、ユーザーの人数は減っていくのだ。

事業はシンプルで分かりやすいことが重要だ。こんなフレーズを耳にすることもあると思う。
まずはゴールの価値で一番大事なことをシンプルに届けることに注力することが良いと思う。
もちろん、圧倒的なスピードでやることが大事だ。時間はコスト。素早くユーザーで試す感覚だ。
ユーザーとの対話を始めながら、ゴールに資する価値を順次足していく。こんな方法を試していこう。