トーナメント方式のミュージカル

先日、友人に誘われ、オンラインイベントの配信会場に出向いた。ライブスタジオだった。
ステージと客席が近い、いわゆる一体感のあるステージだ。100名くらいは入るらしい。
でももちろんコロナ禍なので、スタッフと出演者のみで行われていた。マスクも徹底していた。
消毒はマイクも都度都度、換気も大型の装置でしっかりと行われていた。様変わりした感じだ。

出し物は、ミュージカルの歌。その日は8人のエントリーがあった。事前審査を通過した強者だ。
女性が7人、男性が1人と、男性が圧倒的に少なかった。男性の歌声も悪くないのになぜだろう。
ステージにはピアノが1台あり、出演者は生演奏の中、歌うスタイルだ。素晴らしい。
MCの小気味良いやりとりの中、ミュージカルの歌のコンテストが始まった。配信の本番だ。

ライトアップ、音響もとても良い感じだった。すぐにステージに吸い込まれていった。
曲が始まる瞬間の顔立ちが素敵だった。曲紹介の時の顔つきから一瞬で変わる。スイッチが入る。
緊張やこの日までの想い、頭をよぎっていた様々なことから解放され、パフォーマンスに集中だ。
ピアノの少し後、歌が始まった。久しぶりの生歌だ。しかも音域は広く、声量もある。

歌い方の変化、顔つきの変化、身振り手振り。場所はほぼ移動していないのに、シーンが変わる。
何役かを歌い分けている出演者もいた。性格の違いまでをしっかりと伝えてくる。凄い技術だ。
どの出演者も素晴らしかった。それぞれの個性が際立っていた。どんどん吸い込まれていった。
やはり歌は人の気持ちを上げる力がある。いつの間にか歌いたくなっていた自分がいた。

特別ゲストには本当に圧倒された。プロの力はものすごい。心を揺さぶるパフォーマンスだ。
今回の出演者もプロへの階段を登っていくのだと思う。それも楽しみになってきた。
忙しく過ごしてしまう日常。なかなかミュージカルに出向く機会は作ってこなかった。
いのちが輝きをはなっている姿を生でみる。こうした贅沢な時をもっていこうと改めて思った。