物事の構造や状況を捉える場合、見える化といったように、視覚的な表現を使うことが多い。
「将来を見据える」なども同様で、頭の中に映像を思い浮かべているから視覚表現だ。
人の視覚は小さなものから大きなものまで見ている。人工衛星からの地球から地面の蟻まで多様だ。
頭の中では、現実の風景の一部を無くしたり、加えたりも平気でやってのける。自由自在だ。
視覚における色々な経験はあればあるほど、妄想力が強くなると思う。まずは歩いて見える景色。
車に乗って見える景色。エレベータに乗って見える景色。展望台で見える景色。宇宙から見える景色。
人やモノの移動を追いかけていく景色。それらが複雑に絡み合いながらつながっていく景色。
光の反射・散乱や重力の力を感じながら見る景色。風や音の通り道を意識してみる景色。などなど。
こうした視覚の経験を日頃からたくさん持つようにすれば、物事の捉え方の幅がどんどん広がる。
その際、視点・視野・視座という3つの言葉を意識すると、体験の幅を広げやすいと思う。
視点は物事を捉える時のアングル的なもので、それが新しいこと、もしくは沢山あることが大事だ。
視野は一度に捉える繋がりが広いことが重要だ。視座は抽象度を上げ全体を俯瞰できる高さが必要だ。
物事を多面的に捉えるには、これら3つの視覚をその性質に合わせて自在に操ることが求められる。
視点は全体の中で焦点を当てたモノやコトの魅力を高めるために。視野はその波及効果をみるために。
視座は価値を生み出す全体におけるヒトモノカネの流れを整流化するために活用できる。
物事を捉えようとして壁に当たったら、視点・視野・視座を軸に色々な視覚体験を重ねてみて欲しい。