向きを揃える経営

マーケットシェア、業界○番手など、定義された業界や市場での地位を争う言葉は沢山ある。
経営計画には、シェアの向上が謳われ、必死に自分達よりシェアの高い企業の研究に時間を使う。
様々な項目を体系的に揃えて、その企業と自社とのギャップを見つけて、埋めていこうと努力する。
残念だがこの進め方は、自社を輝かせるのには役立たない。高シェア企業の中途半端な真似になる。

ではどうしたら良いだろうか。大事なことは、ユニークになることだ。独自性を持てばいい。
例えば、昨日書いたテーマの「地域に根付く」に徹しても良いと思う。中途半端でなく徹底的にだ。
独自性の中身を自社全員が納得のいくものに決めるのはもちろん大変だ。でも不可能ではない。
これまで顧客から評価されてきたことを増幅できる独自性を選んでいく。それが全ての始まりだ。

ありたい姿が具体と共に揃ってきたら、実際に自分達の会社を変えていく。やることは3つある。
1つ目は、現在やっていることの中で、独自性を削ぐものを洗い出すことだ。やめる順番も決める。
2つ目は、少しやり方を変えれば独自性に貢献できるものを探し、素早く直し、客に見せることだ。
3つめは、独自性を際立たせる新しい取り組みを小さく始めることだ。できたら数は沢山やる。

独自性を決めたら後のプロセスは明確だ。その独自性が際立った自分達の姿、ありたい姿を描く。
そして、様々な項目を体系的に揃えて、今度はありたい姿とのギャップを見つけて埋めればいい。
少し難しいのは、ありたい姿は、現時点では存在していない。自分達の頭の中にしかない。
よって、たくさんの数の独自性に効く「具体」を思い描けるかが鍵だ。みんなでアイデアを出す。

企業を変える場合に大事なことは、持続性だ。突然の利益の変動や雇用の変動はできれば避けたい。
したがって、収益の柱である既存の事業を巧く独自性の強化に活かしていく視点が最も大事だ。
並行して、新たな取り組みを行い、スパイスとして効かせていく。話題にするためには数が欲しい。
独自性への道。収益と独自性の巧いバランスで進めていく。時間を区切りながら着実に進めていく。