企業や組織、個人が何のために存在するのか、「存在意義」。これがパーパスの意味合いだ。
人々の生活や社会に対してポジティブなパーパスを掲げる企業で働くなら給与が下がってもいい。
こう答えた人は全体の49%と、ほぼ半数に上ったという。数年前のあるSNSで行った調査だ。
ポジティブなパーパスとはなんだろうか。ポジティブなパーパスはなぜ必要なのだろうか。
これまで企業は商品やサービスをニーズに合わせて研ぎ澄まして、顧客の笑顔を獲得してきた。
顧客の声、クレームにももちろん向き合って、改善につぐ改善を続けてきた。既にレベルは高い。
顧客といってもマスではない。かなり細かく顧客のタイプを分けて、タイプ毎の商品を作ってきた。
コストを掛けずにやるべく、絶え間ない改善をしてきた。既にそれに少し疲れてきている気もする。
顧客の立場がどんどん上がってきて、企業の努力は表に見えなくなってきた。偏ってきた。
顧客の期待値はどんどん高まる。自分の好みにぴったりかが最重要指標になっている気がする。
この流れは本当に「人々の生活や社会に対してポジティブ」なのだろうか。社会とは誰だろうか。
社会には供給者も需要者もいる。両方が嬉しい、共存共栄の世界が必要なのではないだろうか。
企業、供給者同士の競争もある。どちらかが勝つこと、シェア争いは社会にポジティブだろうか。
類似したもの同士の違い、それらの満足度の違いは小さく細かくなっている。シェア争いは限界だ。競争はもちろん大事だと思う。でも社会にどちらがよりポジティブかを競争すれば良いと思う。
もし、「みんなの勝ち」をプロデュースできる存在になれたらどれだけ素晴らしいだろうか。
パーパスを持とう。トラックの運送会社なら鉄道会社やバス会社も仲間になるパーパスを持つ。
社会に嬉しい人やモノの移動とはどんなものだろうか?社会を主語に、ありたい姿を考えてみる。
人がモノを大事にする世界。モノを融通できる世界。出会いや賑わいのある世界。構想を描く。
その中で、自分の会社が貢献できること、貢献したいことを考える。社会づくりに目を向けたい。