流通した「有難う」

供給者の丁寧な仕事や凄技を、消費者に伝えることができると世界が明るくなる。
その仕事や凄技に驚き、感謝の気持ちが自然と湧いてくるからだ。有難うが沢山生まれる。
誰と誰が其々どんな凄技でこの価値を生み出したのか、そのチームワークも見える。
日々、色々な価値に触れるので、沢山の価値を沢山の人と凄技が支えているのが分かる。

そうなってくると、毎日が驚きの連続だ。そして、供給者に光が当たり、進化が始まる。
光が当たらない時代は、与えられたことを如何にダメ出しされずに効率的にできるかだった。
光が当たると、感謝に応えて、もっと驚きを生み出せないだろうかと知恵を絞り始める。
自らの力だけではできないものは、他の凄技を持つ人と一緒に知恵を絞り始める。

「有難う」の力は偉大だ。人が既に持つ能力が最大限発揮されるきっかけとなる。
その力は周りの人を巻き込む、旗頭にもなる。力を合わせて次の「有難う」に挑戦する。
これが「有難うの流通」で起きる素晴らしい循環だ。供給者は諦めから希望に変わる。
でも、実はもう一つの効果がある。それは消費者が供給者になりたいと思うことだ。

世の中の消費者は、供給者でもある。何故なら消費者も仕事をしているからだ。
消費者は、日々供給者の凄技に触れて「有難う」と言っているうちに、凄技を学ぶ。
どんな価値にどんな凄技が貢献しているかの知恵がつく。凄技を持つ人も知る。
そして、ついには、消費者は自分の仕事にそれらの凄技を使えないかと考え始める。

消費者は、供給者に「有難う」というだけでなく、「有難う」をもらいたくなる。
沢山の凄技を知り、その組み合わせで色々な価値が生み出されるのを日々学んできたからだ。
今の世の中は、消費者の立場が強すぎる。自分が供給者でもあることに意識が少ない。
全員が供給者になり「有難う」を取りに行く。これが格好良い世界を生み出していきたい。