需要密度と需要喚起

祭りの屋台。焼きそば、綿あめ、金魚すくい、射的など子供の頃の一大イベントだった。
人の集まるところで商売をする。大道芸人など祭りを渡り歩いて全国を回る人もいる。
需要密度の高い場所と時間を狙って移動している。お客さんを探さなくとも来る状態だ。
祭りと屋台。訪れるお客さんの期待値も明快だ。王道のお店が基本。少しアレンジも加える。

ヨーロッパでは移動遊園地がある。自分の街にやってくるのを心待ちにしている子供も多い。
滞在期間は1-2週間。みんなその間、存分に楽しむ。すべての乗り物を乗り倒す。
期間を設定して集中的に楽しんでもらっている。逃すと来年まで来ないからみんな必死だ。
一箇所に留まって営業するより、転々と移動する中でお客さんの総量を多くする仕掛けだ。

商店街。これは動かない。でも多様な店舗が一本の通りにひしめいている。
薬局に来た人が食事をする。写真を印刷する。八百屋で買い物をする。
商店街ポイント、イベント、抽選会など賑わいを生むための取り組みも多様だ。
周辺住人はもちろん、観光客やインバウンドに訴求する取り組みもある。

需要密度の高さが大事な理由は明確だ。
商売をするには人やお店が必要で、それらがどれだけの売上を生むかで利益が決まるからだ。
需要密度が高いところであれば、売上が大きくなる可能性は高い。
では需要密度を高めるにはどうしたら良いか。いくつかアプローチはある。

まずは商売のネタを増やすだ。同じ店、人で売れるのであればネタが増えるだけ売上は上がる。
それから店や商店街などを統合するだ。距離は遠くなるが、店や商店街の品揃えがよくなる。
もちろん、遠くから呼び寄せる、遠くまで移動するやり方もある。でも遠くの店とカニ張る。
結局どれもシェア争いの色が濃い。やっぱり需要を喚起する新たな価値・魅力を生み出したい。