用途が名前の車たち

消防車、救急車、パトカー。ひときわ特別な車だ。
ひとたびサイレンを鳴らすと道路上のなによりも優先される。
なにより、車の目的がみんなの安心安全を守ること。
小さい頃、欲しかったミニカー達だ。働く車とも呼ばれていた。

フォーミュラー1。アイルトンセナの時代だ。
正確無比なドライビング、次元の違うスピード。レースカーの頂点は並みじゃない。
当時はギヤチェンジもやっていた。憧れの存在だった。
マッハゴーゴーのアニメも記憶から蘇る。

この数十年、いろいろ乗用車に乗ってきた。当初はセダンかクーペしかなかった。
次第にSUVやステーションワゴンが、そのうちミニバンが増えてきた。
でも、自分の車を呼ぶときは、ボディタイプでなく、モデル名で言うことが多かった。
いつかはクラウン。社長が乗る車だった。ステイタスの象徴でもあった。

最近は、2つのボディタイプを掛け合わせたクロスオーバーなる車も出てきた。
でも、その名前を知っている人は少ないと思う。結局乗用車は多目的車になった。
あとは、装備やデザインの勝負。ブランドも効く。
使い方は所有者が決める。なにせ多目的車、なんにでも使える。持つ意味がある。

これからは、単目的車の多様化が進む。新働く車と言っても良い。
車は動くから、車はドッキングできるから使う人のところに、用途に合わせた車を届けられる。
新車の概念はなくなる。メンテ済みの概念が残る。車が色々な専門や店を飲み込む。
遠隔運転、それから自動運転の世界を見据えて、小さな事業を積み重ねていきたい。