デジタルで価値創出を加速

大量に作ると「規模の経済」が効いて儲かる。
設備産業が追い求めてきたやり方だ。
この数十年は、単なる単一製品の大量生産から多品種の大量生産へと移ってきた。
組み上がった製品レベルではなく、部品レベルで同じ部品を使うことで大量生産を担保した。

これからは2つの変化を起こしたい。
1つ目は、お客さん一人一人から「ありがとう」と言ってもらえるチャンスを持つこと。
2つ目は、技術や能力レベルで「規模の経済」を出すこと。
どちらも、お客さんに届ける価値とお客さんから頂く対価を強く意識したものだ。

ありがとうは、届け手の想いとお客さんの想いが繋がったときに生まれる。
それぞれの想いが、それぞれに伝わる。対話を通じて生まれる。
日本人の場合は特に、微差やこだわりが双方で通じ合うことが大事だ。
互いの顔が見える事業。それぞれにぴったりの価値を届けるためにデジタル技術を使いたい。

これまでは製品や部品の単位で規模の経済を生んできた。
設計図の一部分を他の部品に流用することもあった。
これからは、それぞれの人が磨いている技術や能力を見える化して流通させる。
生み出したい価値に応じて、必要な得意技を集めて、組み合わせで価値を生んでいく。

価値と技術や能力は、距離が遠い。
技術や能力は使い方によって多様な価値を生み出せるから無理もない。
でも「こういう価値を生み出すのに自分の技術や能力を使って欲しい!」とみんなが意思表示。
すると、みんなの持つ技術や能力の使い方が見えてくる。作りたい価値が現実になる。

デジタル技術は、対話を盛り上げる道具。技術や能力を価値へと繋ぐ道具。
これからの社会が楽しみだ。