WBS

仕事を抜け漏れなく効率的に進める方法論がWBSだ。製造業でよく使われる。
Work Breakdown Structure。仕事を要素に分解して構造化するという意味だ。
飛行機とか車とかのものづくりをイメージすると分かり易いかもしれない。
仕事全体を俯瞰して、どんなタスクがあるかを把握して、タスクの進め方を決める。

WBSを決めるには、何を作るかについて、つまりゴールの姿が必要になる。
自動車なら加速性能、ハンドリング、ブレーキ性能、居住性など様々な性能の定義がいる。
それが決まったら、それぞれの性能を実現するために、どの部品に頑張ってもらうかを決める。
ブレーキ性能ではれば、ディスクブレーキに加え、サスペンション、タイヤなどに担ってもらう。

タイヤが担うのはブレーキ性能だけではない。ハンドリングや加速性能も担う必要がある。
加えて、車内の居住性、それも特に静粛性などにも大きな影響を及ぼす。
サスペンションもある意味同様なので、多対多の関係性がたくさんの部品で生じることになる。
とはいえ、全ての部品でそうではない。例えば、ナビ。これは単独で考えておくことができる。

自動車の様々な基本性能を担う部品は、その他同様の部品と共に設計する必要があるのだ。
故に、そうした部品は足並みを揃えながら開発して、あるタイミングですり合わせを行う。
一方でナビのような部品はインターフェースさえ決めておけば、単独のタスクとして扱える。
必要なタイミングにさえ間に合えば、前倒しでやろうが、ギリギリでやろうが大丈夫だ。

部品単位で考えていくのは複雑だ。だからモジュールにして考えることが多い。
モジュールにすると、多対多の問題の複雑性を低減できる。タスクの括りを作れるのだ。
タスク群を仕立て、タスク群のタイミングを同期させる。そしてゴールを確実にクリアする。
合理的な世界であれば、読み切りさえすればかなり上手くいく。WBSの俯瞰的な視野をもちたい。