経済の安定と成長に貨幣制度が必要であり、貨幣の価値を保証するものが本位制だ。
金本位制や銀本位制などが有名だ。貴重な素材に価値を求めて流通させていた。
その後、国が印刷した紙幣に価値づけをして流通させる紙幣本位制に移行した。
国の信用が重要であり、金融政策などによって価値の維持向上を図ってきた。
これまで価値を求める対象は、素材、もしくは国の信用だった。今後はどんな広がりがあるだろうか。
森林本位制や木本位制という言葉も聞く。CO2を吸収してくれる森林が貴重だということだ。
カーボンクレジットなどにおいても重要な役割を担うからだろう。要は需要があるのだ。
あ、確かに木も金や銀と同じように素材だ。しかも以前よりも求められる価値が上がってきたのだ。
では、価値づけされる対象は素材を超えるのだろうか。例えば、加工品や製品はどうだろう。
米が素材なら、おにぎりが加工品だ。でも、おにぎりにしてしまうと寿命が生まれる。
遠くに運ぶことも、長く保管することも難しくなる。時間と共に価値が減り、少し厳しそうだ。
家電ではどうだろうか。家電だとそれぞれの家電ごとに用途が限られて、価値の幅が狭すぎる。
ではパソコンはどうだろうか。なかなか良い気がする。プログラムを更新すれば価値に制約はない。
でもやはりパソコンの材料である半導体の方が良いのだろうか。半導体は産業の米と言われてきた。
確かにパソコンより半導体の方が、用途の広がりがある。製品の広がりとプログラムの広がりだ。
でも素材は時間が経っても素材だが、加工品である半導体は時間と共に相対的な性能が落ちていく。
本位制の対象にしうる要件とはなにか。素材なのか加工品でもいいのか。その場合信用がいるのか。
半導体やロボットの本位制はどうだろうか。そうしたら半導体やロボットの価値を再発見できそうだ。
そしたら新しい仕事もたくさん生まれないだろうか。もやもやしていて、いまのところ結論はない。
でも、仮想通貨の反対側の議論として、加工品や製品を対象にした本位制を考えてみたくなった。