ステンレスのお猪口

昨晩は日本酒を頂いた。淡路の美味しいお魚のフルコース。久しぶりにご馳走だ。
日本のものづくりを担っていたり、応援していたりする仲間の集まりだ。
6時からのスタートだったが、あれよあれよという間に時間が過ぎていった。
そこで久しぶりに使わせて頂いたのが唯一無二のデザインのステンレスのお猪口だ。

作り方は、金属を溶かして型に流し込む鋳造でもなく、削り出す切削でもない。
3Dプリンターで底面から少しずつ金属を積んでいきながら作ったものだ。積層製造だ。
お猪口は2重構造となっており、持つ部分となる外周には竹細工の意匠が施されている。
その内側には少しだけ空間があり、お酒をいれる器(の外壁)へとたどり着く。

なんとも説明は難しいが、3Dプリンターでなくては絶対にできないデザインだ。
飲み口にも工夫が施されている。日本酒は空気を含みながら飲むと美味しいからだ。
六角形の飲み口の3箇所には空気を通す穴が底面と垂直方向に開いている。
その部分から日本酒を飲むと、少しだけだが、味わいが変わったような気がした。

最近では企業のノベルティとして使われることが多いらしい。マークも入れられる。
場所は内側のお酒を入れる部分の外壁なので、よく見ないと見つけられない。
でもそれがまたいい。こんなところに隠れているんだ。見つけた時の感動がある。
かなり細かい細工までできるようだ。デジタルのものづくりの凄さと言って良いと思う。

色合いもなかなか良い。金属を溶かして積んでいくので、ステンレスの焼き色がでる。
この色は、個体差がでるという。それぞれの個体に風合いを与えてくれる。
デジタルなのに、アナログな感じも感心させられる。もっと風合いも出してみたいと思った。
きづきのお猪口も作ってみたくなった。おばんざいのお供にして、新旧の融合を試してみたい。