この時代、自分の意思だけで自分の行動を決めている人はほぼいないと思う。
これまでの体験から得た知識だけでなく、なんらかの新たな情報を入手して行動を起こしている。
そもそもこれまでの体験も、誰かの作った情報に刺激されて起こってきたはずだ。
だから人は日々の生活の中で、多様な経験を積むことができる。情報社会と言われる所以だ。
少し前までは、新聞やテレビという大衆を対象にしたマスメディアがほぼ唯一の手段だった。
今では一人一人に別々のメッセージを送ることができるようになった。スマホがある。
故に、スマホやネット、SNSを使って、個人の趣味嗜好を把握するという競争が行われている。
しっかりと個々人のプロファイルを掴み取ることができれば、的確に製品やサービスを推奨可能だ。
では、的確とはなんだろうか。いつかはその場の感情までを捉えた推奨ができるかもしれない。
でも今すぐという状況にはない。人の脳に刻まれた経験をパソコンに移しとることはまだできない。
であれば、合理的な類推の可能な状況を切り取り、的確な推奨となる確率を高めるのが良い。
これを賑わい作りに当てはめたらどうなるだろうか。どんな時にどんな推奨をすればいいのか。
それぞれの街には、賑わいの種となるものが必ず幾つかある。これを起点に考えたい。
例えば、アンケートをとってみる。すると、順番ができる。1番には行ったから次はとなる。
2つの種の場所が離れていたら、間に小さな種を見出してみる。それをこっそり伝える。
「折角きたからもう少し」、「あそこまでの移動時間は長い」。こんな状況を切り取っている。
深みを感じる種があったらどうだろうか。もう少し突っ込んでみたいと次の機会に思いを馳せる。
お得なクーポンをもらったら、それが使える場所に立ち寄ってみる。これはよくある話だ。
街の人と交わる、例えばこの街に〇〇の師匠などができれば、弟子のように通い詰める。
そこに街おこしや持続可能な社会づくりが加われば意欲は増す。重ねることで行動は変わると思う。