ぎゅっと凝縮する。

会社のトップ、もしくはそれに準ずる立場の人との対話はとても緊張する。
それは誰もがそうだし、そうなるのは仕方がない。でも心掛けたいことがある。
まずはよく話を聞くこと。一語一句聞き逃さないのはもちろんだがそれ以上がいる。
なぜそれを話したのか、背景にはどんな思いや考えがあるのか。それを妄想する。

さらに、そこから反撃を試みる。反撃と言っても、攻撃をするわけではない。
大事なことは、受け取った話の自分なりの解釈を短い言葉で即座に伝えてみることだ。
面と向かって話を聞いたとしても、互いの持つ背景や常識は異なり、解釈は異なるからだ。
ここで一度対話をしておくだけで後工程の品質が明らかに違ってくる。やり直しを防げる。

解釈を伝えて共通認識を醸成できたらまずは合格だ。でももう一歩進めるとベストだ。
共通認識は多くの場合は問題や課題だ。故に、それらへの対処方法の仮説を話したい。
問題であれば、その問題を解決するための打ち手、つまりは課題設定を話してみる。
課題の場合であれば、課題を実現するための具体的手法の仮説について話す。

想像している通り、問題解決の打ち手や課題実現の手法を語り始めると解像度が上がる。
解釈の共通認識にぐっと手触り感が持てる。さらには次の対話の機会までの道筋が明確になる。
一度の対話で、この辺りまで行けると最高だ。質高くかつ効率的に仕事が進められる。
この状況を生むには常に考えている必要がある。自分の考えと共鳴する点を探している感じだ。

トップに準ずる人の時間は有限だ。色々な人との対話も必要だ。故に与えられる時間は少ない。
故に、短時間で互いの手触りを確認し合うのがいい。だからこそ、全集中で考えるのだ。
解釈が合ってますか、要するに一番大事にしたいことはこれですね。こんなやり方があると思う。
この意識で対話に臨む人は歓迎される。次の対話にも招かれる。意思を示すことが次を生むと思う。