飴と鞭。

企業の改革や再生を進める際、大きく分けて2つのやり方がある。
飴はインセンティブだ。目標を設定してそれを成し遂げたら褒美がある。
進化を実現したいという気持ちのある人、それに必要な能力を発揮した人。
そんな人達を炙り出すことができる。改革のコア人材という感じだ。

飴から入れば現場はピリつくことはないが、スピードは上がらない。
では鞭から入ったらどうだろうか。合理的で的確な指示を個々人に出す。
それを確実に実行させるべく、進捗管理をする。進みによって管理頻度を変える。
この場合、やるべきことだけを愚直に進める形になり、確実に進む。

もちろん、鞭がキツ過ぎれば脱落者が出る。少しのストレッチの見極めが大事だ。
鞭を乗り越えた時には飴がいる。キツイ期間を乗り越えたことへの感謝だ。
できれば、飴をもらうのは次は自分だという雰囲気を生み出したい。
主役が入れ替わり立ち替わり現れると、現場は盛り上がる。活気が生まれてくる。

飴と鞭は一人が両方使うのが良いだろうか。恐らくそうだが、一人だけに負わせるべきではない。
飴比率の多い人、鞭比率の多い人の両方のタイプが必要だと考えている。
人には相性があるので、何人かがいるだけで、あの人の話なら理解できるとなる。
複数いれば、鞭の脇で飴をうまく使うことすらできると思う。要は個々へのバランスだ。

ただ、一番大事なことはなんと言っても、その組織が確実に元気になっていくこと。
特に収益が上がることが大事だ。効率化でコストを切ることから始めるがそれだけではダメだ。
得た収益を投資するサイクルが始まってこそ組織が真に元気になる。前を向けたことになる。
少額でも気持ちがパッと明るくなる投資だがいい。そうなってくると飴と鞭は良い思い出だ。