密度と総量。

ある一定のエリア内で賑わいを生むことを考えることが多くなっている。
ここでエリアとはある文化的施設や商業施設、名所などを中心とするエリアだ。
また賑わいとは、人の動きが時間的に空間的に重なり合っている状態だ。
重なり合いが多い程、賑わいの増幅が起こる。自然に賑わいが大きくなるのだ。

もちろん、どこまでも賑わいが大きくなるわけではない。上限値が存在する。
混んでいて嫌だなという気持ちがそうさせるのだと思う。オーバーツーリズムだ。
でも何より難しいのは賑わいの増幅が始まる閾値を超える状態を生み出すことだ。
人の動きの重なりを作るには同じ時間に同じ場所に人を呼び込まないといけないからだ。

住民の場合と観光客の場合は大きく異なる。前者は側に住んでいて、後者は遠くから来る。
住民で賑わいを作る場合は、何より日常に入り込むことだ。通勤や通学と絡ませる。
日々のお買い物でもいい。習慣となる趣味でもいい。とにかくリピートするものが有効だ。
それから住民の場合は混んでないことが大事だ。賑わいの上限値は高くないと思う。

観光客の場合は、非日常を味わってもらうのがいい。日常とは異なる体験を楽しんでもらう。
最も簡単なのは住民の日常を見せること。観光客にとっての非日常になる日常を見せるのだ。
その土地に伝わる伝統的なものや風習。そうしたものの中に没入してもらう体験は貴重だ。
それから大事なのは体験の密度と総量だ。貴重な体験が一つでは吸引力が弱いのだ。

歩いて回れる距離に3−5つ。商店街まるごと。車で便利に回れれるスポット。テーマが大事だ。
少し距離がある場合は、移動自体が体験になると素晴らしい。大自然や遺構なども活用する。
それから特徴のある食は不可欠だ。食べ歩きも貴重な体験だ。もう一つ、疲れをとる場所だ。
朝活は都会でなくてもいい。朝ごはんを食べながら自然を満喫。体験は非日常の密度と総量が大事だ。