ある補助金の審査があった。全体のお題は新たな社会を切り開くだった。
その新たな社会は壮大で、いくつかの製品やサービスでできるものではない。
無数の製品やサービスが折り重なって、生まれて進化していくものだと思う。
ある意味、自己組織化と言ってもいい。自然と折り重なるのが理想だ。
補助金の審査なので、そのお金を使う主体がある。それぞれの使い方が正しいか。
それぞれはその計画を実現できそうかが気になる。でも、全体のお題は新たな社会だ。
となると、新たな社会が生まれるかが、最も大事な論点だろう。でも個別の計画がある。
故に、新たな社会の創出に貢献できる抜け漏れのない個別の計画に仕立てる必要があるのだ。
ここで大事なのが、抜け漏れがないこと。これらが揃えばあとは新たな社会は生まれる。
きっかけだったり、道具立てだったり、お手本の姿だったり。お膳立てがいる。
もちろん、すべてのことをこの補助金の枠組みでやることはできるはずはない。
故に、次から次へと参入して、それぞれが自律的に動いていくまでの弾み車がいるのだ。
全体のアーキテクチャを設計する人の才覚が問われる。社会の動向を予測する必要がある。
どんな計画を揃えるか、その際誰を巻き込んでおくか。第二波はどう仕込んでおくか。
なだれのように普及させるにはどうすべきか。シンプルな動機をどう社会に埋め込むか。
個別の取り組みでは決して成し得ないことを、場づくりの中で実現しないといけない。
こんなありたい姿を必要な時、どんな評価の仕方がよいのだろうか。まずはアーキテクチャだ。
生み出したい新しい価値の構成機能の連関を示したものだ。これがきちっとあるかが大事だ。
さらに、アーキテクチャの各構成機能が全体に貢献する形で役割を全うすることだ。
そうか、構成機能毎に評価をすればよいのだ。個別のプロジェクトの評価とは別にやればいい。