世界的に使われている言葉だが、日本語では芸術評議会と訳されている。
文化芸術に対する助成を基軸に、政府・行政と一定の距離を保ちながら活動する。
文化政策の執行を担う専門機関とも捉えられている。世界でこれまで成果を生み出してきた。
英国での活動は政界的にも評価され、各国が取り入れ、日本でも地域単位で設立されている。
評議会という感覚。これは助成対象を選定するというような意味合いに感じる。
確かにそうした役割がアーツカウンシルにあるのは間違いないだろう。
でも、何か物足りない気がする。提案を待っているのではなく、提案を創る活動がいる気がする。
文化施設が日々に追われ、提案こそやるべき活動という認識がなかなか持てていないのが問題だ。
より多くの人を巻き込み、文化施設の場を、価値の流通、売り買いの場にしていく。
ある特定の作品を見せるだけではなく、それぞれが作品を持ち込み、売り買いをする。
入館料、鑑賞券、入場料といった収入は、基本的に価値が一方通行だ。マーケットを作りたい。
そんな発想を持って提案を創ると楽しい。インパクトが生まれると思える雰囲気がいる。
そんなことを考えると、評議会という言葉はとても不自然に聞こえる。一方通行だ。
そうでなく、入館料、鑑賞券、入場料は様々な人たちが集まる一つのきっかけだ。
その場所に市、マーケットが生まれる仕掛けを準備しておくことが大事だろう。
小さな商売を始められる多様な受け口を作ってみたくなる。市で賑わいを生むのだ。
イベントだけの活動にせず、日常の中に仕込みの時間、宣伝の時間を混ぜることもやってみたい。
いくつものイベントをつなぎ合わせ、年間を通して、思い起こさせるタイミングを設けてみたい。
やはり、評議会ではなく、ネットワーク的に、エコシステム的に、進めていくのが良さそうだ。
アーツ、ライフ、サーキュレーション、エコノミー。新しい名前を考えたくなった。