美術館や博物館のような文化施設は、どんな形で運営されているのだろうか。
通常の企業は、自社の商品やサービスを定めて、それらの売上で収益を得ている。
この10年ほどで大きく変わったことと言えば、地球や社会への貢献という意識だ。
自社の収益の増大を追求するだけでは間違いだ。この考え方が広がっていると思う。
とはいえ、企業は赤字を続けて生き残れない。自社と世の中への貢献のバランスがいる。
実際、独り占めすぎている。そんな形で巨大企業への牽制が入ることも多くなってきた。
世の中に貢献するということは、最終的には誰もが豊かに暮らすことの追求なのだと思う。
勝ち負けではない世界なのかもしれない。持続的な共存共栄が目指す姿なのだろう。
文化施設は、営利団体ではない。学術的な研究をして文化を守っていくことが大事だ。
よって、運営の予算は公的にまかなわれ、その予算を有効に活用することが求められている。
本当にそれだけでよいのだろうか。文化施設にとって収益とは何か。追求する必要なないのだろうか。
仮に、文化施設だけで目的を達成できるなら、予算が永続的ならそれで良いかもしれない。
でも、おそらくはアーティストや民間企業と協力しなければ、目的を達成していくことはできない。
世の中にインパクトを出して文化を育んでいくなら、相応の規模感の取り組みも必要になるだろう。
そうなると文化施設が収益を得ることが必要だ。とは言え、どうやって稼いでいけばよいのだろうか。
企業のように稼がなければ会社が存続できないという意識はない。稼ぎ方も分からないが実態だろう。
文化を育むということは、どういうことだろうか。人々が文化に自分の時間やお金を使うことだ。
文化を育むということは、人々の間で、社会の中で多様な活動が起こり、お金が循環することだ。
共存共栄といってもいい。文化の中身は共存共栄のテーマのようなものだ。企業経営とも似ている。
誰もが単一の役割では収まらない。複数の要素を併せ持つことが大事だ。融合を進めてみたいと思う。