マーケティング、ブランディング。世の中では自分達を伝える技術が磨かれてきた。
自社が届けたい価値を定めて、その価値にブレずに様々な施策に落とし込んできた。
最近ではパーパスという自社の存在意義で全ての企業活動を束ねようとしている。
ビジュアルも含めて、すべてを統一感のある形で発信して、存在を際立たせている。
こうした活動の効果で、幾つもの会社がユニークなポジションを獲得してきた。
まるで商品やサービスという接点を通じて、企業との対話を楽しんでいるかのようだ。
人々はいつの間にか企業自体のファンになり、期待値も膨らむ。直接関わりも持ちたくなる。
社員になってしまう人もいるだろう。顧客として対話を続けていく人も生まれる。
こうした企業と一緒になって社会に貢献することができたらとても嬉しいと思う。
企業も自社の存在意義をしっかりと発信して仲間やファンが増えるのだからもちろん嬉しい。
でも、この活動ではできないことがひとつある。それは自社ではなく、他社の宣伝だ。
他社の素晴らしさを伝えることを通じて、自らの視野の広さ、社会に対する想いが表せる。
例えば、周りを見ると、仲間が多い人の特徴は、自分ではなく他人を褒めている人に多いと思う。
よく観察して、それぞれの人の良いところを的確に掴んでいる。目利き力があるのだ。
そして、それを言語化して人に伝える。それがしたいのならあの人が適任。聞いてみてあげる。
こんな日常が目に浮かぶ人だ。結果的にその人自体の信頼もぐんぐん上がっていく。
自分の推した人が活躍するのはとても嬉しい。色々な新価値創出に関われたらこれも最高だ。
日本人だけかもしれないが、自分の宣伝より、他人の宣伝の方が上手くできることも多い。
そして、もし他人の宣伝をみんながやり出したらどうなるだろうか。存在意義が明確な人がだ。
間違いなく素晴らしい企業同士が褒め合う文化が生まれると思う。一気に輪が広がると考えている。