大目的。

これまでプロジェクトという名の付くものをたくさんやってきた。
何より重要なことは、大きな目的を明確に定義してそれを見失わないことだ。
「なんとなくこうだ」ではだめで、必ず実現するものとして全員で共有することが大事だ。
日々の活動の中で、その大目的に常に立ち返ることで初志を貫徹できる。

当然だが、プロジェクトは大目的に貢献するタスクという細かな活動の集合体だ。
タスク自体もとても大事だが、大目的とタスクでは重要性が全くと言っていいほど異なる。
タスクは臨機応変に内容を変えてもいい。一度決めたことをやり切る必要もない。
重要なのは、大目的の実現に貢献できているかどうかだ。それだけを譲らなければいい。

一方、大目的は基本変えてはいけない。もし変えるならプロジェクトを組み直す。
逆に、プロジェクトにとって大目的は生命線であって、存在意義とも言える。
ただ、大目的はそう簡単に実現できない。そこでタスク群に分けて積み上げていくのだ。
一つ一つのタスクを進めるたびに、大目的の実現度合いを確認する癖を持つといい。

タスクは臨機応変に変えていくのだが、中身を変えるだけでなく、増やすこともある。
全体に割ける工数を見ながら、その工数内で大目的に届くようにタスクを組み替える。
言うまでもなく、プロジェクトの成功は全体を俯瞰する人材次第だ。やり甲斐がある。
タスクを実行する人の視野を広げて、大目的により大きく貢献できるように促す。

特に、新しい価値を定義しようというプロジェクトの場合は、注意が必要だ。
色々な協力者を、大目的に洗脳していく必要がある。非常識を広めるようなものだ。
一度頭で理解しても、タスク実行の中で、いつの間にか忘れてしまう。それが普通だ。
実現には粘り強いコミュニケーションが鍵だ。ゆっくりじわじわと流れを変えるのだ。