音声だけナビの素晴らしさ

道は星に聞け。カーナビゲーションが世の中に出てきた時のキャッチフレーズだ。
カーナビは、GPS、つまり衛星を使った位置測位システムを活用してマップに自車位置を示す。
地図を助手席に置きながら、交差点の名前を覚えて目的地まで進んでいく世界がガラッと変わった。
車乗りは、抜け道も含めて、道を知っていることが一つの強みだったがその概念が一変した。

地図に表示されるルートに従って車を走らせることで、迷わず確実に辿り着けるようになった。
必ず常備していた地図が車の中から消えていった。そして確実に行動範囲が広がった。
効率的にいけるようになり、1日に回れる目的地がかなり増えたような気がする。
最初はトンネルでナビが機能しなくなるなど色々な不具合があったが、今ではほぼ全て解消された。

最近の進化は地図が消えたことだ。確かに、ナビ画面を見ると前方への注意がそがれる。
文字が小さいと尚更だ。地図画面が消えれば、常に前方へ注意を向けていられる。
とはいえ、目的地までの道のりやルートの全体像などは画面でないと確認できない。
確実に不便になることがある中、かなり大胆かつ素晴らしい意思決定をしたと感じている。

使ってみると、音声だけなので、アナウンスのタイミングにはかなりの注意を払っている。
これまでなら心配になってナビを見るタイミングで、しっかりと音声でガイドしてくれる。
目的地などを止まっている間にタッチ入力しなければいけないという煩わしさもない。
スマートスピーカーの如くナビに話し掛ければ、走りながらいつでも目的地を追加修正できる。

実はルートの全体像をみるというニーズもほぼなかった。ルート概要を音声で教えてくれれば十分だ。
それよりも、近くのトイレやコンビニ、と話しかけると応えてくれる方がよっぽど便利なのに気づく。
目から鱗だ。世の中には当たり前に便利だと思っていたことが、実はそうでないことがあるのだ。
これ以外にも沢山あるはずだ。ゼロベースで本質を考える。この感覚を忘れず持ち続けていきたい。