ゴールが明確で、そのゴールに向かっていくプロセスも定まっていることが多かった時代。
先頭を走る人のやっていることをしっかりと見て、真似していくのがよかった時代。
同じものや少し良いものを少しでも効率的に作り上げて、原価を下げて競争に勝つ時代。
少し前まではこんな戦い方こそが結果を残してきたと思う。成功の確率が高く、儲かった。
スケールを梃子にした低価格、マニュアルによる無償のおもてなしが至る所で当たり前になった。
顧客から支持されるために何をするか。顧客第一、顧客視点の矛先は、価格とサービスに集中した。
価値を作るところから、届けるところまでを、リーンかつ磐石な仕組みとして確立できるかが勝負だ。
いつのまにか、現場の創意工夫や自由度といったものは、次第に脇へ追いやられたような気がする。
覚えたことをやる。覚えたこと以外はやらない。現場の活気がどんどんなくなっている気がする。
なんのためにやっているのか、もっと価値を上げることはできないか。こんな問いが少なくなった。
いつのまにか自分のやりたいことではなくなっている。食べていくためのだけの仕事になっている。
そろそろ、活気のある現場の割合を少しずつ増やすタイミングがきているのではないだろうか。
考えるべきことは、価格を上げること。何をどうすれば追加のお金をもらえるかを考えてみる。
マニュアルには書いていない領域、マニュアルで縛られていない領域で、まずは試してみるのが良い。
マニュアルをやり切ると実現できるゴールを見据えながら、そのゴールのレベルを上げる案を考える。
タイムラグはあってもいいが、少しだけでも価格を上げる効果があるかどうかには、拘って欲しい。
この数十年マニュアルの完成度は高まった。ただ、競合ベンチマークを通じてどれも似通ってきた。
いつのまにか、これとこれがないからこのマニュアルはイマイチだと、減点法での評価も始まった。
顧客からの驚きや感動もなくなる。それどころか顧客もここができてないとクレームを言い始める。
なんか変、なんか面白い。マニュアルを超えた部分での行動を一人ひとりが始める必要がありそうだ。