文化ってなんだろう

1つの社会システムは、2つかそれ以上の諸社会の社会構造、構成員や文化と関わりあうことができる。
自分の社会にも確かに色々な文化があるような気がする。これは「文化の多元的共在」と言うらしい。
人々は、複数と関わるのがマストではないが、いずれかと関わることができるという選択肢を持つ。
故に、同じ社会に属していても、同じ文化的な背景を持つとは限らないのが当然かもしれない。

人は、ある土地や地域の文化を考えるとき、自らの持つイメージに照らしてついつい考えてしまう。
自らが関わってきた社会構造や文化があればそれを前提に、無ければ入手した情報を前提に話す。
当然と言えば当然だが、土地や地域の文化を語る上ではとても厄介なことだ。全体像が見えない。
多元的に共在するからこそ、文化には変化や面白みが生まれる。そこを捉えるのが難しいのだ。

共在とは2つ以上の事物、事物の性質が同時に存在することを表す。新旧の文化が共在する土地。
こんな使い方だろうか。ただ、おそらく何でもかんでも共在することは不可能だ。相性がいる。
もしくは性質の異なるものであっても、2つをつなぐ何かが必要だ。共通の要素で括れるかだ。
共在が増えれば、異質なものも増えるが、巧く括れれば、構成員の人数は増えていくと思う。

土地や地域の文化が栄える方法には、2つの方向性があると思う。「深く」と「多様」だ。
「深く」は、歴史的に続いてきたものを、より研ぎ澄ましたり、突き詰めたりすることだ。
「多様」は、色々なものの共在を楽しみ、それらの交わりにより新たなものを生み出すことだ。
どちらも、興味や創意工夫といった人々の行動があっての話だ。文化とは人々が作るものだからだ。

「深く」と「多様」には、バランスも必要になる。相互に敵対しないためのバランスだ。
突き詰めるほど、排他的になることも多い。でもブレークスルーは異分野の学びからくることも多い。
逆に、色々なものが交わっても、創意工夫のエネルギーがなければ何ひとつ生まれてこない。
文化が栄えるとは、より多くの人々が其々の興味や創意工夫の中で相互につながることなのだと思う。