どんなビジネスにとっても常連さんはとても大事な存在だ。売上を支えてくれるだけではない。
むしろ、毎日くるとか、沢山発注してくれるとかはあまり関係がないのかもしれない。
おそらく、お互いがお互いの存在を意識しているかどうかが常連さんかどうかの境目だと思う。
たまに訪ねたときに、時間が巻き戻ったかのような自然な感覚を持てたら間違いなく常連さんだ。
では、常連さんはどんな風に生まれるのだろうか。論理ではない感情の部分が大きく効くと思う。
名前を覚えた。特徴的な仕草や対話のシーンが思い浮かぶ。一緒に過ごした時間が心地よい。
全ては、向き合ってくれたり、寄り添ってくれたりしているという感覚から来るような気がする。
浮かない顔に気づいても、普段通りに接してくれたり、どこかでいつもより優しくしてくれたり。
自分事として、仲間として考えているのだと思う。金銭のやりとりを超越した何かが存在する。
常連さんは、お客さんが減っているのを感じたら、何とかして貢献したくなる。みんなで行く。
いつも寄り添ってくれている想いを、返す番が来たと張り切る事すらあると思う。
乗り越えた後に「あの時は大変だったよね」と対話をしているシーンすら想像しながら頑張る。
要は、日々、見えない「ありがとう」を互いに積み重ねている。溜まっている感覚が原動力だ。
行きつけの生オケバー、イタリアン、カフェなどなど。仲間企業、同士のいるお客様。
お互いにお互いの成功を祈っている気がする。気にかけている気がする。みんな志があるからだ。
温かみ、情熱、個性。この辺りはみんなに共通だと思う。もっとこの辺りを大事にしたいと思う。
デジタルマーケティンング。世の中では、もの事が起こり得る確率で、色々な販促が行われる。
効果はあるし、売上も伸びると思う。でも、その裏で常連さんとの大事な何かが見失われがちだ。
リピート理由が「お得だから」となったら少し寂しい。「あそこ高いんだよね」と笑える方がいい。
お金のやりとりより、ありがとうの流通が主役に躍り出るデジタルの使い方が欲しくなってくる。