世の中に生まれてきた様々な製品やサービスは色々な人の凄技の組み合わせでできている。
特に、満を時して作られたものには、丁寧な仕事や凄技がたくさん詰まっている。
多くの場合、過去の製品やサービスの課題や盛り込みたいことを都度構想して作り上げる。
日本の場合、曖昧な状態で初めて、走りながら、試行錯誤しながら最終形に辿りつく。
しっかりと時間を掛けながら、色々な盛り込みたいことを、すり合わせながら作り込む。
途中で引き算をすることもある。大事なことに焦点を当てて、そうでないものを省いていく。
まさに試行錯誤だ。作り込む過程では構想や設計図が目まぐるしく変わる。
つまり、都度、製品やサービスのアーキテクチャが変化しながら、作り込みが進むのだ。
そうやって出来上がったものは、同じジャンルのものでもアーキテクチャはバラバラだ。
同じ設計者であれば、その人のやり方や癖が色濃く出るが、違えば似ることは少ない。
ヒットしたものを真似るケースはもちろんある。その時は簡易なアーキテクチャに変わる。
だから、日本にはアーキテクチャのバリエーションが沢山ある。標準的なものが少ない。
標準があること、その標準を熟成して進化させること。素晴らしいアプローチだ。
でも、沢山のアーキテクチャがあるということも面白いと思う。多様性があるのだ。
熟成したアーキテクチャには多様性も想定され盛り込まれているが、想定の幅は限られる。
一方でアーキテクチャが沢山あるということは、それ自体が多様なものを生み出せる。
日本は標準がない。効率的な製品づくりやサービスづくりができていないと言われる。
でも過去を振り返らない。過去はアセットとして使う。日本には小型軽量化の凄技がある。
「有難うの流通」で多様なアーキテクチャを見える化すれば、それが大きな武器になる。
それらを手本に、小さく軽いものを組み合わせる。素早く「凄い」を生み出せるはずだ。