今の部品と未来の部品

目の前にあるパソコン。自動車とまではいかなくても沢山の部品が組み立てられて動いている。
それぞれの部品は、パソコンとしての実現している多数の機能の一部を担っている。
計算をする機能や、入力を受け付ける機能、落としても壊れにくくする機能など部品によってまちまちだ。
それぞれ部品が与えられた役割をしっかりと担うことで、ちゃんとした想定通りのパソコンとして機能する。

既にある製品の場合、それぞれの部品が担っている機能を洗い出して整理することはできると思う。
3次元での搭載位置や実際の働きも見えると、それぞれの部品の持つ能力をイメージしやすくなる。
普段はなぜパソコンは動いているかなど気にもしないが、こんな仕掛けがあったらメカニズムに夢中になる。
設計者の意図やものづくりの大変さを改めて感じる機会になり、自分でもものが作りたくなると思う。

どんな機能群をどんな部品群の組み合わせで実現するか。一定のルールが存在する場合が多い。
ルールを設けることで、新製品を出す際、安定した品質ですばやく開発することができる。
それぞれの部品が担うことを、新旧の製品で揃えることで考える必要がない部分を増やしているのだ。
標準の使い方、標準部品としての用途が定められていることになる。ただそれに従えば良い。効率的だ。

でもこうしたものづくりをするとどうしても新旧の製品が似てくる。ものづくりがマイナーチェンジになる。
標準を使わなかったところだけの変化だ。でも次の製品の時には、その変化の部分が標準に加わったりする。
なにかがつまらない。もっと大胆な変化をものづくりに取り込めないだろうか。しかも素早くだ。
もっとワクワクする新製品を生み出すために、できることはないだろうか。混ぜ合わせをつくれないだろうか。

例えば、パソコンと家電。近すぎるのならパソコンと券売機。部品にばらして注意深く眺めてみる。
家電や券売機の無数の「今の部品」の中から、パソコンの「未来の部品」を探してみたい。
もちろん、そのままでは使えないが、1つの部品が面白い組み合わせの機能を担っているのが見つかる。
パソコンに加えたら面白い新しい機能が見つかる。製品またぎの部品の妄想。なんか面白そうだ。