インダストリー4.0が日本に本格的入ってきたのは2015年だったと思う。もう5年前だ。
誰もが知っているキーワードだったが、バズワードの如く、中身に?がいっぱい付いていたと思う。
誰もが特集本を買い、多くの日本人がハノーバーメッセに集結した。
フランクフルト空港のハノーバー行き搭乗口は、日本人だらけ、コロナ禍の今では想像できない。
人の目は2つ。視力にも左右されるが、あまり遠くやたくさんは見えないし、小さいとみえない。
あとはずっとみてることもできないし、仮にできたとしても見ているようで見ていないことがある。
集中が途切れ、ぼぉっとしたり、別のことに集中していると、視界に入っていても知覚しないことすらある。
手も2本しかない。早押しをしたとしても押せるボタンの数は限られる。間違って押すこともある。
工場をスマート化する。インダストリー4.0で飛び込んできた言葉だ。その時、イメージが湧いた。
目が沢山増える。手も沢山増える。機転は効かないかもしれないが、決めたことは間違えない。
次に思ったことは、その目と手を自分の助手にしたいだ。千里眼、千手観音になれるかも。
上空からすべてを見通すイメージ。必要な場所にフォーカスを当てて素早く正確に手を差し伸べる。
俯瞰力とは、全体を見通す力。上流から下流まで、そこにある人、装置、モノ、エネルギー等が対象だ。
すべての変化を捉える。時間の推移に合わせて起きていることを掴む力だ。ありたい姿とのギャップを掴む。
機動力とは、起きているギャップを解消する速さだ。ギャップのあり続ける時間を如何に短くできるかだ。
判断基準が明確化できるものなら自動化できる。数がいくら多くてもCPUの能力は十分だ。
ここ数年は、俯瞰力を使って新しい世界観を描く挑戦をしている。今ないものを妄想する。
いまのやり方をどう変えたら、段違いの世界へと羽ばたけるか。驚きを生めるか。
俯瞰したことで、すべての対象物の特性が理解できる。それぞれの限界を引き出すことができる。
ギャップ時間をゼロにする機動力も使う。妄想力とメカニズムの解明できていない微差が人の仕事だ。