ビジネスパーソンにとって一般的になってきたIoTという言葉。”Internet of Things”の略だ。
モノのインターネットと訳されることが多い。でもこれだと、なんのことやら分かりづらい。
工場などにある様々なモノに色々なセンサーをつけて、モノの動きや状況を見渡せる技術だ。
とはいえ、難しい感じは否めない。理解するにはデジタル技術への精通が不可欠と感じてしまう。
人には感情がある。表情もあるし、言葉も持っている。だから周囲からみて状況が分かる。
犬や猫も表情はあるし、言葉はないものの、鳴き声で感情が伝わってくる。一緒にいると分かる。
装置や機械はどうだろうか。突然、素人が機械の前に立っても、機械の気持ちは全くわからない。
でも、長年その機械に寄り添ってきた職人であれば対話が可能だと思う。使う前から調子が分かる。
IoTはその職人の持つ感覚を素人にも分かりやすく見える化する手法だと考えて良いと思う。
機械の場合、音や振動が使い方や負荷によって変化する。これをセンサーで捉えると状況が分かる。
ロボットの動きを見るだけで、どの関節が痛いかを感じとる職人の眼力をセンサーで代替する。
モータに流れる電流値などの変化を測れば、各関節への負荷がかなり見える化できるのだ。
生産計画を作る職人もいる。1日により沢山の製品を作れるように各ラインへの割り当てを決める。
各装置の能力や段取りにかかる時間などが頭の中に入っていて、1日の流れを読み切って計画を作る。
これも素人にはできない芸当だ。これもIoTで難易度を下げられる。状況を記録できるからだ。
それぞれの装置がどのくらい働いているか、だいぶ弱ってきたか、つらい装置はどれかが分かる。
弱ってきたのがわかれば、故障する前に手立てを打つこともできる。故障した原因も掴める。
要は、機械や部品の感情を人に分かるように翻訳していると考えれば良い。しかも、記録が残せる。
一度に沢山の機械やモノの状況を見張り、まずいものだけ抽出して教えてくれる。自動で対処もする。
IoTを自分の弟子に欲しくなってきたのではないだろうか。意外と簡単に作れる。挑戦して欲しい。