日本人の味覚

少し偏った見方かもしれないが、日本で食べる料理は総じてとても美味しいと思う。
日本料理が美味しいのはもちろんだが、イタリアンやスパニッシュ、フランス料理も同様だ。
日本には、世界中のあらゆる料理があるが、現地にも勝る美味しさを味わえる店が多い。
水が美味しい、丁寧につくる、日本人の舌に合わせて作られている。色々な理由があるのだろう。

もう1つ。日本人の味覚が肥えていて、満足させるためには相当頑張る必要があるという考え方もある。
人間は味を感じる時、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味という5つの基本味に分けて味を感じる。
ある調査によると、日本人は特に旨味に対する正解率が外国人の2倍ほど高かったという。
要するに、日本人は旨味の強さを見極める能力が高いということだ。この点で舌が肥えている。

結果、日本の料理は旨味が強い。お味噌汁やお吸い物は、他の国のスープと比べてかなり違うという。
出汁がポイントで、薄味でも繊細な味つけで、味わいがある。日本人の舌が敏感だと言われる理由だ。
緑茶とコーヒー・紅茶と比べても圧倒的に、緑茶には旨味が含まれている。言われてみればそう思う。
緑茶の甘味、苦味に加えた、なんともいえない奥の深い味わいは旨味からくるのかもしれない。

勿論、海外に行けば、土地の料理を食べにいく。でも、なかなか美味しいものに出会わない。
星付きなど高級な店に行けば、大変満足はできるが、残念ながら気軽に立ち寄るところではない。
カジュアルな店は当たり外れが大きく、下調べ無しに入ると、残念な結果になることも多い。
ついつい日本人のシェフがいるお店を探して食べにいく。こんなことをしていた自分がいる。

味覚に優劣をつけたいわけではもちろんない。遺伝子や生まれ育った国によって異なるだけだ。
外国人の味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の基本味では表せないのかもしれない。
そもそも美味しいの定義も違うはずだ。結局のところ人それぞれの好みでしかないのかもしれない。
あ、今は京都に拠点がある。旨味の秘密を探るべく、食べ歩きを始めてみようかと思った。