篠山市でとても小さな家をチームを組んで作っている。4畳半くらいの家。
ただし、釘をつかわず、木だけで組み上げる伝統工法の家だ。
古民家再生の棟梁、きこりの匠からの直々の指導付きだ。貴重な体験だ。
すべての所作、作業に合理性がある。理由を聞くと思わず納得する。
好きなデザインで、好きに作っていきましょう!なんでもできますよ。
棟梁の言葉に胸が踊る。メンバーにはデザイナーもいて、スケッチで盛り上がる。
屋根は片屋根、杉皮で作るのがおしゃれ。いつの間にかアイディアが纏まった。
棟梁はにやにや。杉皮は80枚くらいは入りますね。夏が過ぎたから作業は少し大変かな。
当日、張り切って山に入った。といっても裏山で5分くらいで現場に着く。
初めてわかった。杉皮を採ることの過酷さを。ヘラで剥いでいくが全くコツがわからない。
1枚採るのに平気で30分は掛かる。。。しかもクルッと剥げず、途中で切れそうになる。
雨漏りしますね。。。途方も無い作業だとわかった。でも光明もあった。
どうやら、剥ぎやすい木と剥ぎにくい木がある。皮の内側の木肌との間の水分量が影響している。
夏の時期の剥ぎやすさもこれに関係していた。剥ぎやすい木を選び、切り倒して1m位に切り揃えた。
今度の木は皮と木肌の間に、ヘラがスッと入り気持ちよく剥がれる。徐々にコツが分かってくる。
一人がその部分に鉈をシャッシャッと軽く往復させた。繋いでいる繊維だけが切れ、更に気持ち良い。
コツが分かると、合理性が頭でわかると、力はいらない。素人からぎこちなさが取れて、進化する。
今度は、ヘラが行方不明になって、足りない。一人が木の枝をヘラ状に削り、鉈のように使ってみた。
鉈より気持ちよく剥がれる。おそらく、ポイントは先の厚み、ちょうど良い硬さ、しなやかさだ。
みんな道具がヘラから枝に!幾つもの課題を乗り越え、みんなの生産性が上がる。素晴らしい体験だ。