昔から憧れてきたシートがある。レカロシートだ。最初の出会いは車だ。
漫画で見たのか、カー用品店で見たのか忘れたが、見た瞬間に惹きつけられた。
形やデザインがそれまでに見た車のシートとは次元が違うように感じた。
恐る恐る座ったのを覚えている。座り心地も段違いだと確信した瞬間だった。
それから数年経った頃だったか、初めてレカロシートを車に付けた。
純正オプションでつけた。中々の価格だったが、純正という響きに思い切った。
後付けだと、外したシートをどうするか、本当に適正な位置につけられるのか。
そんな心配があったが純正なら大丈夫だ。座り試しができなかったが、納車が待ち遠しかった。
やはりホールド感が全く違った。タイトなコーナーの横Gをものともしない。
ふにゃふにゃ感が全くなく、身体を包み込んでくれる。思わずコーナーの速度が上がる。
当時はパワーのない車だったが、とにかくドライブが楽しくなったのを覚えている。
驚いたのは長距離運転の違いだった。500km乗っても全然腰が痛くならなかった。
その頃から、憧れはオフィスチェアに移っていった。いつかはレカロの椅子で仕事をしたい。
そんな思いが湧いてきた。その時が来たのは6−7年前だった。総務に思い切って頼んでみた。
会社の椅子と値段は同等だったが、統一感を損なうわがままを言ったのを覚えている。
とても快適だった。外出が減ったような気がする。もっと座っていたかったのだ。
今は個人事務所に入れてみた。今度はゲーミングチェアだ。それで仕事をやっている。
なんとも言えない心身の充実感がある。机に向き合うのはあまり好きではないが問題なくできる。
今月末にはさらに車に付けることにした。運転席だけ、長距離が辛いクロカンSUVだ。
ジムニーからジムニーシエラへの乗り換え。色は銀からアイボリーに変わる。楽しみだ。