工場の改善はQCDをより良くすることと働き易くすることを目標にしている。
QCDは品質とコストとデリバリー。つまりより良いものを安く早く届けることだ。
コスト削減は販売価格を下げてもいいが、自社の利益を上げるだけでも良い。
働き易さは、工場で働く従業員の健康に効くものだ。無理のない姿勢なども含む。
搬送の改革を考えてみる。今は立ち乗りの牽引車を人が運転して周回している。
例えば、それを自動運転車で代替したらどうだろうか。まず変わることは人の役割だ。
運転という仕事がなくなるので、自動運転車への乗り降りが無くなる。別に動けるのだ。
これにより、運転、乗り降りの時間に、補充や完成品の積み込みなどができるようになる。
つまり、牽引車を人が運転していた時より、短い時間で周回ができるようになる。
30分が20分になったとしたら、とんでもない短縮となる。でもそれだけでは喜べない。
短くなった10分をどう使うかが大事だ。自動運転車も人も休んでいたら縮めた意味がない。
故に、改善した効果で原価を下げるには捻出した時間を有効に活用する方法を考えなくてはならない。
やり方は幾つかある。まずは人だ。人はとても柔軟に役割を担えるので余り時間でできることを探す。
周辺に人がやっていることを替わってやる、終わってから纏めてやっていたものを随時やる。
いずれにせよ、全体として雇う人数がへるかどうか、加工以外の残業をなくせるかが鍵となる。
もうひとつは周回ルートの変更だ。工場全体で10ある場合にはそれを7にできるかを考えてみる。
そうすると、3つの周回に関わっていた人が減らせる。こうなると確実に原価に効くことになる。
でも忘れてはいけないのは、減らした人や牽引車のいく先だ。人は新たな価値作りに使いたい。
牽引車はお金に変えるか、部品に変えたいところだ。減価償却が済んでいたら、地球に優しく廃棄だ。
まだまだやり方はある。多様な可能性を考え、常に全体でどうなったという視点を持って進めていく。